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思えばそれも愛だった。

私が高校生の頃、大きな転機や出会いがあった。興味を持てば、好きという気持ちがあれば、人間はどこまでも積極的に前に進んでいけるということを知った。時には、私の知らない私が、その出会いによって現れたのだった。
姉の影響で英語を無我夢中で勉強していた。勉強というと、どうしてもつまらない、苦痛というイメージが先行するが、私は心から英語という言語が好きで、半ば趣味感覚で学んでいた。週に1度外国人の先生が来てくれる英語の授業があった。高校1年の途中に、その人はやってきた。アメリカ人の先生は、とても身長が高くハンサムな人だった。それまで外国人と接する機会がなかったため、かなり舞い上がってしまった。しかし元来引っ込み思案な性格ゆえ、授業中に積極的に発言することは出来なかった。言葉で気持ちを伝えることを好む私は、ある時その人に手紙を書いた。拙い英語で、自分のことを知ってもらいたくて、色々書いた。何週か後の授業の時、手渡しで返事を貰った。嬉しくて仕方なかった。その先生も日本語を勉強していて、子どもが見るような番組をよく見ていますと書いてあった。お互い、外国語を学ぶという立場では同じだ。それが嬉しくて、励みになった。
よく手紙を書いて、メールをして、先生が顧問である英語のクラブにも入っていた。少しでもたくさんのことを知りたくて、知って欲しくて、一生懸命英語と向き合った。相変わらず、英語の成績だけはずば抜けて良かった。それが自慢だった。
I love youの言葉の重さが、私にはまだ分からなかった。そんなに簡単に言ってはいけないものだったのかもしれない。一度伝えたきり、距離感が分からなくなった。それでも英語は好きでい続けた。
卒業のその時も、先生はおめでとうと言ってくれた。それで十分だった。今はどうしているのかまるで知らない。どこにいても、元気でいてくれたらいいなと思う。時々、思い出したように英語を勉強している。